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| ◆９９夏＠Ｔｅａｍののの −エーデルワイス Edelweiss− | |
映画『サウンド・オブ・ミュージック』が作られたのは１９６５年。すでに３５年近い年月を経てなお感動してしまうのは自分が成長していないだけなのか。ザルツブルクの町といい，モーツァルト橋といい，私の記憶に最初に焼きついたのはこの映画の影響であることは確かだ。うちの子供たちがこの映画のビデオを見たのは１９９０年ころ，ちょうどテレビの名作アニメ劇場『トラップ一家物語』が放映されていた。そしてそのころからの夢がトラップ家の子供たちが歌ったあの山を，あの町を私たちの足で歩いてみたいということだった。今度の旅の漠然とした計画は昨年のボストン・ＮＹよりも前からあったのだった。 ところがここへきていくつかの本を読むと，『サウンド・オブ・ミュージック』が御当地オーストリアでは評判がよくない。トラップ一家さえ，あまりよく思われてはいない模様。そういわれてみれば実にアメリカ的な映画だし，ザルツブルクからスイスへアルプス越えをしてナチスから逃げるという設定はちょっと無理。真相は「亡命」ではなく，「移住」だったとオーストリアの百科事典に書かれているとか。マリアは「家庭教師」ではなく，「家政婦」だったとか。 何だか夢がしぼみそうで娘たちには言わずに，映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台を見に行くことにしたいと思う。だって今や声を失ったジュリー・アンドリュースはやっぱり素敵だし，あのトラップ家の７人の子供たちは可愛い。 アメリカ人と日本人しか乗らないという「サウンド・オブ・ミュージック・ツアー」のバスには乗らず，あの映画の子らのように自転車でザルツブルクの郊外をみんなで走りたいと思っている。きっと映画の中の世界に入り込んであらたな感動をするだろう。
（6. Juli 1999） アメリカにおけるトラップ一家 ゲオルグ・フォン・トラップとマリア・アウグスタ・クチェラが結婚したのは１９２７年。マリアは結婚後３人の子供たちを産んだ。 １９３８年オーストリアがドイツに併合された年，トラップ一家は祖国を離れ，アメリカへ旅立った。翌年第二次世界大戦が始まり，「トラップ・ファミリー聖歌隊」はヨーロッパやアメリカでの演奏活動を行った。１９４０年「トラップ・ファミリー・シンガース」として本格的に演奏活動を開始。翌４１年，ヴァーモント州ストウに農場を買い，それが現在のトラップ・ファミリー・ロッジの前身（１９８０年火事で焼失し，現在のロッジは８３年に再建されたものである）となった。 父トラップは１９４７年に亡くなり，母マリアは１９８７年に亡くなった。
（8. Juli 1999）
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