第II期ＴＷＣは再度復活しなかった。完全に蟻とコオロギの小屋と化したＴＷＣは荒れるにまかせ、お手上げ状態だった。その分、家の中で続けていたＭＯＩの中はミミズ団子でいっぱいで、ゴミよりミミズのほうが多いという盛況ぶりだった。夫婦二人で終末の山暮らしをするだけならＥＭぼかしバケツで作った邪魔にならないＭＯＩが台所の隅にあればそれで十分でもあった。

　結局、重い腰を上げてＴＷＣの再起を企てたのは「必要」からだった。ミミズコンポストのそもそもの出発点が「必要」からだったから理由は同じだった。地球環境を考えて、などという立派なことは実は当初考えてもいなかった。今回も全く同じで、環境の保全より先に、今年の夏休みのゴミ処理を何とかしなきゃというのが一番の動機だった。

　再起、といっても、時々案を練っていたＴＷＣ自体の改造まで乗り出す気力なく、前回同様家の中のミミズたちを大量に庭に移動しただけ。外敵に餌をやるようなものかとも思ったが、ミミズたちの奮闘に期待した。家の中のＭＯＩには四分の一ほどのミミズを残した。でもこちらはすぐにもまた増えてくれるだろうと楽観している。夏休みで毎日、ゴミを投入しながら土の中のミミズたちを見守っているかぎりは元気に暮らしていた。ゴミは見る見る減っていくというようなものではないから、投入するたびに増えて行くだけだったが、次回山に行ったときにミミズたちが蠢いていてくれたらとりあえずこの夏の再々出発は成功と考えようと思っている。そして冬場になって環境が厳しくなったら、逆に家の中に戻してやろうと思っている。

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　荒れ果てたＴＷＣ。
　見るも無惨な姿だけれど、この中で室内コンポストＭＯＩから移ってきたミミズたちはせかせかと這い回る小蟻たちの群の中で賢明に生きている。オーナーの私自身どうしていいかわからないから、彼らの生活力に賭けるしかない。今はただ見守るだけ。彼らミミズたちは今を耐えるだけ。